
お疲れ様です。社長です。
私はいろんなジャンルの本を読むタイプですが、特に好きなのは小説。
好きな作家さんを挙げ始めるときりがないけれど、その中のひとりに原田ひ香さんがいます。
特に、お金にまつわる小説がすごく好き。
『三千円の使いかた』や『財布は踊る』も、とても面白かった。
そのあたりの感想もいずれ書くとして、今回は、
『人生オークション』
について。
この小説、すっごく好きなんです。
もう何度か読み返しています。
物だらけの部屋を、叔母と一緒に片付ける
主人公の瑞希は、就職活動に失敗し、アルバイトをしながら実家で暮らしています。
そんな瑞希の母方の叔母が、不倫の末に刃傷沙汰を起こし、離婚。
ひとりで小さなアパートに暮らし始めるのですが、その部屋はとにかく物だらけ。
瑞希は母に押し付けられるような形で、その叔母の部屋を片付けることになります。
そして、家にあふれかえっている物をヤフオクで売り、生活費の足しにしていく。
このくだりが、まあ面白い。
大規模な断捨離をしたことがある人や、メルカリやヤフオクで物を売った経験がある人は、かなり共感できるんじゃないかな。
私自身、定期的に断捨離をしてはメルカリに出品しています。
意外なものが高値で売れたり。
逆に、結構な金額で買ったものなのに、いざ売ろうとすると二束三文にしかならなかったり。
「あんなに高かったのに!?」
となることもしばしば(笑)
私がメルカリで一番笑ったもの
私が今までメルカリを使ってきて、一番面白かったのは、大学生の頃に箱買いしまくっていた食玩です。
当時、1個250円くらい。
10個入りの箱で買っても2,500円。
それが、何個かなくしてしまっていたにもかかわらず、シリーズによっては3万円くらいで売れたことがありました。
そのときはもう、
笑いが止まらない(笑)
そして調子に乗った私は、
「これは取っておこうかな」
と思っていたものまで売りました。
現金な女である(笑)
でも、それでも手放さなかった食玩があります。
たしかリーメントだったと思うのですが、昔、
「こんな食玩を出してほしい」
というアイデア募集のような企画がありました。
私は、
「ケーキ屋さんが欲しい」
とハガキを出したんです。
結果として採用されたのは、パン屋さん。
採用されたアイデアを出した人の中から、何人かに完成した食玩をプレゼントするような企画だったと思うのですが、なぜか私のところにもそのパン屋さんの食玩が送られてきました。
いや、
私、ケーキ屋さんって書いたんだけど?
パン屋さんとケーキ屋さんは同じジャンル扱いだったのでしょうか(笑)
理由はいまだによく分かりませんが、当時の私は大喜び。
そのときにもらった食玩だけは、今でも取ってあります。
これはさすがに売れない。
……話が脱線しました。
高く売れると、ついつい「あれも売ろうかな」になる
『人生オークション』でも、最初はブランドバッグや銀食器など、お金になりそうなものから売っていきます。
そして、それなりの値段で売れる。
すると叔母さんもだんだん楽しくなってきて、
「あれも売っちゃお♪」
みたいな感じになっていく。
わかるわぁ(笑)
売れ始めると楽しくなるんですよ。
「これもいけるんじゃない?」
「じゃあこれも出しちゃう?」
ってなる。
ところが、次に服を売り始めると大苦戦。
これもものすごく分かる。
服、本当に二束三文でしか売れない(笑)
買ったときの値段を思い出すと泣きたくなることがあります。
こういう、実際に物を売ったことがある人なら「あるある」と思える場面がたくさん出てくるのも、この小説が好きな理由のひとつです。
片付いていくのは、部屋だけじゃない
物をひとつずつ売り、部屋の中が少しずつ片付いていく。
それと同時に、瑞希と叔母さんの距離も少しずつ縮まっていきます。
そして、この叔母さんがすごくチャーミング。
読み始めた頃は、
「この人が刃傷沙汰を起こしたの?」
と思うくらい、ピュアでかわいらしいところがある。
読み進めれば進めるほど、どんどん叔母さんのことが好きになっていきます。
その結果、
叔母さんに攻撃的な人がどんどん嫌いになっていく(笑)
読者として完全に叔母さん側へ肩入れしてしまいました。
最後に見えてくる、それぞれの気持ち
物語の終盤では、それまで見えていなかったことが少しずつ明らかになっていきます。
ここは、ぜひ実際に読んでほしい。
瑞希の葛藤。
叔母さんの悲しみ。
瑞希のお母さんの苛立ち。
この小説、考えてみればネガティブな感情もかなりたくさん描かれています。
それなのに、
不思議と重苦しくない。
人の寂しさや弱さが描かれているけれど、それだけではなく、どこかにちゃんと優しさがある。
だから何度読んでも、嫌な気持ちにならないんだと思います。
断捨離したことがある人には、特におすすめしたい
『人生オークション』は、断捨離やヤフオクを題材にした面白さもありながら、
物を手放すこと。
人との距離。
家族だからこその複雑な感情。
そして、人の優しさや寂しさ。
そういうものが静かに描かれている小説です。
断捨離をしたことがある人。
メルカリやヤフオクで物を売ったことがある人。
そして、人の優しさや寂しさが描かれた物語が好きな人。
そんな人には、ぜひおすすめしたい一冊。
私はきっと、また何年かしたら読み返すと思います。
そして次に読んだときも、
服が全然高く売れないところで、
「わかるわぁ……」
って言ってる気がします(笑)
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