青春18きっぷは自由だった。中学生の頃から使ってきた僕が今の制度を惜しいと思う理由

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この記事を書いた人:秘書

お疲れ様です。秘書です。

僕は昔から、青春18きっぷで旅行するのが好きでした。

記憶をたどると、中学生くらいの頃にはもう青春18きっぷを使って一人で旅をしていました。

最初は、小学生の頃に兄と出かけた時だったと思います。

この辺はさすがに記憶が曖昧なのですが、少なくとも僕にとって青春18きっぷは、大人になってから知った「お得な切符」ではありません。

ずっと昔から、僕の「旅」というものの近くにあった切符です。

2011年には友人と、青春18きっぷを使って九州から北海道まで行きました。

途中で東京に何日か滞在して、北海道ではレンタカーを借りて宗谷岬まで走る。

函館で車を返したら、また青春18きっぷで南下して、最後は東京からムーンライトながらで西へ。

今思い返しても、なかなかのことやってます(笑)

でも、僕は今でもああいう旅がしたいと少し思っています。

そしてたぶん、今フリーランスという働き方を選んでいる理由にも、少しつながっています。

理想を言えば、好きな場所へ行って、そこでパソコンを開けば仕事ができる。

旅をしながら仕事をする。

現実は全然そんなに格好よくはいかないんですけど(笑)、場所に制限されたくないという気持ちはずっとあります。

その根っこには、青春18きっぷで長い時間をかけて旅をしてきた記憶がある気がします。

だからこそ、今の青春18きっぷを見ると、どうしても思うことがあります。

昔の青春18きっぷは、安いだけじゃなかった。自由だった。

分厚い時刻表と青春18きっぷ

僕が青春18きっぷを使い始めた頃は、今ほどスマホもネットも発達していませんでした。

乗換案内を開けば、次に乗る電車から到着時刻まで全部教えてくれる。

そんな時代ではありません。

旅へ行く時は、分厚い時刻表を広げて、

「この電車に乗って、この駅で乗り換えて……」

と自分で調べる。

そして、乗る電車や時刻にマーカーを引いていました。

今考えればめちゃくちゃ面倒です。

でも、不思議とそれも旅の一部だったんですよね。

何時何分の電車に乗れなかったら次は何時になる。

ここで乗り換えを失敗したら、その後の予定が全部変わる。

この数分で乗り換えしないと、乗り遅れたら1時間この駅で待機!

そんなことまで含めて、自分で旅を組み立てていました。

今ならスマホひとつで全部できます。

もちろん、その方が便利なんですけどね。

でも時刻表を開きながら、

「明日はここまで行くぞ」

と考えていた時間も、今となってはかなり好きな記憶です。

長い移動時間が、意外と好きだった

青春18きっぷで旅行すると、とにかく暇です。

普通列車ですから、当然時間がかかります。

何時間も何時間も電車に乗ります。

今ならスマホを見たり、動画を見たりするんでしょうけど、昔は今ほど暇を潰すものもありませんでした。

致命的なのが、僕はあまり本を読まない。

だから自然と、窓の外を見る時間が長くなります。

住宅街を通る。

田んぼの中を走る。

山の中を抜ける。

ものすごく田舎の道に、ぽつんと一軒だけ家が建っていたりする。

そういう景色を見ていると、子供ながらに不思議な感覚になることがありました。

ここにも誰かが暮らしていて、自分とは全然違う人生があるんだな。

今でも、電車や車で知らない土地を通ると同じことを考えます。

自分が知らないだけで、そこには普通に生活している人がいる。

仕事へ行ったり、ご飯を食べたり、家族と話したりしている。

当たり前なんですけど、長い時間車窓を眺めていると、その当たり前を妙に実感する瞬間があります。

これも、青春18きっぷ旅が好きな理由のひとつです。

方言が少しずつ変わっていく

もうひとつ好きだったのが、乗ってくる人たちの言葉です。

長距離を普通列車で移動していると、ある場所から急に言葉が変わるわけではありません。

「あれ、なんかイントネーション変わってきたな」

と思っているうちに、気付けば完全に違う方言になっている。

新幹線や飛行機だと、一気に目的地へ着きます。

でも普通列車だと、土地が変わっていく途中経過まで感じられる。

あれが結構好きなんです。

目的地だけが旅じゃない。

移動している時間そのものが旅になっていました。

昔の青春18きっぷは「どう使うか」を自分で決められた

2024年夏までの青春18きっぷは、1枚で5回分でした。

1人で5回使ってもいい。

5人で1回使ってもいい。

1人で使う場合も、5日間連続である必要はありませんでした。

今日は使う。

明日は観光するから使わない。

数日後にまた使う。

そんな使い方ができました。

旅の途中で同じ街に何日か滞在してもいい。

今日はレンタカーに乗ってもいい。

予定が変わったら、18きっぷを使う日をずらしてもいい。

余った回数は後日に回せる。

「5回分をどう使うか」まで、自分で決められた。

これが青春18きっぷの強さだったと思います。

最初の駅で押してもらうハンコも好きだった

今の青春18きっぷは自動改札を通れるようになりました。

これは普通に便利です。

以前は有人改札で青春18きっぷを見せて、その日の最初に乗る駅で日付の入ったハンコを押してもらっていました。

たぶん効率だけで考えたら、自動改札の方が圧倒的にいいです。

でも僕は、あのハンコも嫌いじゃなかったんですよね。

駅員さんに切符を見せる。

ハンコを押してもらう。

その日の日付がひとつ増える。

「よし、今日も行くぞ」

っていう感じがありました。

便利になったこと自体は歓迎したい。

ただ、

自動改札を通れるようになった代わりに、あまりにも多くの自由を失ってないか?

とは思います。

2011年の北海道旅行は、昔の制度だからできた

僕が2011年に行った北海道旅行も、今の青春18きっぷでは同じ感覚では組めません。

九州から東京まで青春18きっぷで移動。

東京で数日滞在。

そこから東北を抜けて北海道へ。

北海道では数日間レンタカーを借りて、函館から宗谷岬まで走りました。

車を返したら、また青春18きっぷで南下。

東京でも再び何日か過ごして、最後はムーンライトながらで西へ。

つまり、

青春18きっぷを使わない日が、旅の途中に何日もある。

でも、それでよかったんです。

「青春18きっぷを使うために旅程を組む」のではなく、

旅程の中で、青春18きっぷを使いたい日に使う。

僕にとっては、それが青春18きっぷでした。

この旅行については、別の記事でも詳しく書いています。

▶︎ 青春18きっぷで九州から北海道へ。2011年、友人と宗谷岬を目指した2週間の貧乏旅行

今の青春18きっぷは3日間・5日間の連続利用

現在の青春18きっぷは、大きく仕組みが変わりました。

2026年現在は、

3日間用:10,000円
5日間用:12,050円

の2種類。

どちらも、指定した利用開始日から連続する3日間、または5日間の利用です。

また1枚につき1人専用となり、以前のように複数人で1枚を使うこともできません。

その代わり、自動改札を利用できるようになりました。

一番納得できないのは「連続利用」

僕が今の制度で一番使いづらいと思っているのが、連続利用です。

昔なら、

1日目は移動。

2日目は観光。

3日目にまた電車で移動。

そんな旅程が普通に組めました。

今の3日間用では、1日目に使い始めた時点で3日間のカウントが始まります。

2日目に一度もJRに乗らなかったとしても、その1日は消化されます。

これ、青春18きっぷの性格と微妙に噛み合ってない気がするんですよね。

青春18きっぷって、

時間をかけて移動することにより最大の恩恵が得られる

みたいなところがあると思うんです。

そもそも移動自体を楽しんだり、移動費をおさえて、現地で使う費用にまわす。

なのに今は、

「青春18きっぷの恩恵を最大に受けたければ、3日間連続で移動に時間を使ってください」

みたいな形になっています。

いや、指定してくんな(笑)

1日目に8時間移動して、

2日目はその街をゆっくり観光して、

3日目にまた8時間移動する。

こういう旅こそ相性がいい切符だったと思うんです。

その「電車に乗らない1日」を挟みにくくなったのは、かなり大きな変更だと思います。

3日と5日。なんで両方奇数なんだ

そして、ここからはかなり個人的な文句です(笑)

3日と5日、なんで両方奇数なんだ。

土日だけ使いたい。

でも2日用はない。

3日券を2日しか使わなければ、1日分余る。

5日券を4日しか使わなければ、やっぱり1日分余る。

昔なら、その余った1回は後日使えました。

なんだったら、ヤフオクや金券ショップで売れたりもした。

今は開始日を決めた時点で、時間切れまで進んでいきます。

金額だけを見ると今でも安い場面はあります。

でも、

「自分の予定に切符を合わせる」のではなく、「切符に自分の予定を合わせる」必要が強くなった。

ここが僕にはかなり使いづらい。

生の感想を言えば、普通にクソナーフです(笑)

友達との旅にも使いにくくなった

昔は友達との旅行にも使いやすい切符でした。

5人で1枚を使って日帰り旅行。

3人で出かけて3回分を使う。

そんな使い方もできました。

今は1枚につき1人専用です。

もちろん仕組みとしてはシンプルになりました。

でも、

「1綴り買って、みんなでどっか行こうぜ」

「どこまでいけるかな?」

みたいな雑な旅はしにくくなりました。

青春18きっぷって、そういう行き当たりばったりな使い方と相性がよかったんですよね。

「元に戻してほしい」と思った人は僕だけではなかった

制度変更が発表されたあと、旧制度への復帰を求めるオンライン署名も行われました。

主催者の発表では、2024年10月24日から12月2日までに33,946人が署名しています。

もちろん、署名が集まったからといって、JRが旧制度へ戻すと決めたわけではありません。

ただ、

「前の方が使いやすかった」

と思った人が僕だけではなかったことは分かります。

販売数も減っている。ただし原因は一つではない

2026年8月には、青春18きっぷの2025年度の販売数が、コロナ禍の水準を下回ったと報じられました。

報道では、連続3日・5日利用への変更も背景のひとつとして取り上げられています。

ただし、販売数が減った理由を全部制度変更のせいにするのは違うと思います。

旅行スタイルも変わっていますし、鉄道を取り巻く環境も昔とは違います。

JR側も、利用者からさまざまな意見が寄せられており、「使いやすくなった」という声もあるとしたうえで、今後も利用状況やニーズ、商品性などを見ながら検討していくとしています。

そのへんの事情はわかる。

わかるんだけどさ。

極端な話、自分は諦める。

ほんとに大学生までとかでもいいんだ。

お金がない若い子の選択肢の一つであってほしいとは思う。

今のところ、旧制度へ戻すという発表はありません。

それでも、利用者の声を受けながら今後を考える余地があるなら、個人的には少し期待したいところです。

青春18きっぷの旅が嫌いになったわけではない

ここまで散々文句を書いてきましたが(笑)、僕は青春18きっぷの旅自体が嫌いになったわけではありません。

むしろ今でも好きです。

何度も乗り換える。

駅で弁当を買う。

電車の中で寝る。

目を覚ましたら、少し遠くまで来ている。

知らない土地の景色を見る。

乗ってくる人の方言が少しずつ変わっていく。

窓の外に見える一軒家を眺めて、物思いにふける。

目的地だけではなく、そこへ行くまでの時間そのものを楽しむ。

僕にとって青春18きっぷの旅は、そういうものでした。

だから、

「もう青春18きっぷなんていらない」

とは思いません。

逆です。

好きだからこそ、惜しい。

安い切符ではなく、自由な切符だった

昔の青春18きっぷは、ただ安く移動できる切符ではありませんでした。

金はない。

でも時間はある。

そんな中学生、高校生、大学生や若者が、

「ちょっと遠くまで行ってみよう」

と思える切符でした。

分厚い時刻表を広げて、自分で旅程を考える。

どの日に使うか決める。

気になった街があれば滞在する。

友達を誘って日帰りで出かける。

余ったら、また別の日に使う。

どう旅するのかを自分で決められた。

今は自動改札を通れるようになり、確かに便利になりました。

でも僕にとっては、

便利になったことより、自由を失ったことの方が大きい。

昔の青春18きっぷを知っている身としては、もう少しだけ、旅する側に自由を返してくれたらうれしい。

極端な話、僕みたいな昔を懐かしむ人間は置いといて、せめて大学生ぐらいまでの若い子には選択肢の一つとして青春18きっぷがあって欲しい。

そう思っています。

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青春18きっぷで九州から北海道へ。2011年、友人と宗谷岬を目指した2週間の貧乏旅行
https://syachotohisyo.com/seishun18-hakata-hokkaido-2011/

この記事でも何度か触れた、2011年の北海道旅行。
九州から青春18きっぷで北上し、北海道ではレンタカーも使いながら宗谷岬を目指しました。昔の青春18きっぷの「自由さ」を、自分が一番使い倒していた頃の旅です。

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